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Welcome to our party 2 【気象系BL】

第13章 灰白 by のさまじょ


柔らかいものの正体を確かめようと、地面を掴むとそれは絹の着物のようだった。

「な、なんだ…?」
「…どいてくれぬか…」

人の声が聞こえた。
びくりと身体が震えた。

こんな山奥に、俺とマタギの仲間以外人間なぞ居たためしがない。

「だっ…誰だっ…」

先年、近くで大きな戦があったと聞く。
もしや落ち武者か…

いきなり地面が揺れた。
はずみで俺は地面に転がった。

「どこか…痛むところはないか…」

徐々に周りの霧が晴れて、陽光が声の姿をはっきりと見せる。

「あ…」

男は色白で薄紅を掃いたような頬を持っていた。
意志の強そうな眉の下には、外つ国のびいどろのような瞳が埋め込まれている。
後ろで束ねただけの髪が、黒々と艶めいている。
白い皮膚を薄鼠の絹の着物と袴で包んでいた。

こんな上等な身なりをしたものが、この辺りに居るわけがない。

「だ、誰じゃ…」
「…私は禁足地で、神に仕えておる」
「ああ…なんじゃ、神職か…」

ホッとした…
まさか物の怪でもあるまいし…

神職ならば、俺が知らなくても不思議はない。
都から数年に一度、交代でこの禁足地で神に仕えると言うから、いちいち顔なぞ覚えていなかった。

「すまない…俺はこのあたりでマタギをやっている雅だ」
「雅…」

シンとした目を、俺に向けてくる。

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