Welcome to our party 2 【気象系BL】
第97章 遠くて近きは先輩後輩の仲 by みきちん
「櫻井先輩、流石だったな」
見事なまでに生徒会長として答辞を述べていた
櫻井先輩の勇姿を目にしっかりと焼き付けた。
「……いないんだよな」
ドアの前で立ち止まる潤。
「そうだよね」
俺もドアノブに手を伸ばせないでいた。
「あとで、部屋行っていい?」
「もちろん」
お互い、1人の部屋は嫌だよね?
「じゃあ……うわっ!」
「えっ?潤……うわっ!」
潤の驚く声が聞こえると同時に、
俺は誰かに引っ張られて抱きすくめられた。
この匂い……
「櫻井……先輩」
「帰ってくるのおせーぞ」
「なっ、何で……」
胸に埋もれてしまった顔を上げた。
「卒業のお祝いして欲しくって」
ずっと見てきた大好きな笑顔を俺に向ける。
お祝いなんて出来ないよ。
せっかく我慢していた涙がポロポロ落ちる。
「泣くなって……」
そう言ってチュッと涙に唇を落とした。
「ふぇっ?」
キ……キス、された?