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Welcome to our party 2 【気象系BL】

第97章 遠くて近きは先輩後輩の仲 by みきちん


俺と先輩の部屋が
日に日に綺麗になっていく。

正確には櫻井さんのモノが
この部屋から無くなって
1人部屋へと姿を変えていく。


「何か、モノがないと落ち着かないな」

椅子の背もたれに身体を預ける櫻井先輩。

「俺は落ち着きますよ?」

2段ベッドから櫻井先輩の姿を見下ろす。


本当、嫌になる。

素直じゃない自分に……


「悪かったな、部屋が汚くて」

「自覚、あったんですね」

「お前なー」

立ち上がると乱暴に髪を撫でる。

「やっ、止めて下さいよ!」

俺の言葉にピタッと手を止めた。


いつもなら嫌味を言いながら
もっとしてくれるのに……


「ありがとな」


その言葉……聞きたくない。

だって俺にとっては別れの言葉。


「カズと一緒に過ごせて楽しかった。
同部屋がカズで本当に良かった」


プルルッ…


「あっ、悪い!」

櫻井先輩は部屋を出ていった。


俺達の空間を邪魔をした電話に
初めて感謝した。


布団にもぐって声を押し殺して泣いた。

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