Welcome to our party 2 【気象系BL】
第97章 遠くて近きは先輩後輩の仲 by みきちん
「もうすぐ卒業だな」
昼休み、今日も潤が悲し気に空を見上げる。
「そうだね……」
俺も同じように空を見上げる。
「最近2人共、暗すぎ!」
見上げる先の太陽と同じように
明るい笑顔を俺たちに向ける雅紀。
「お前はいいよな、同級生だから。
あと2年は一緒じゃん」
「まーね」
雅紀は同学年の風間に恋をしてる。
そして俺と潤は3年生の先輩に恋をしてる。
入学式の日。
生徒会長として壇上に立った人に、
俺は一瞬で目を奪われた。
ぷっくりした唇は、
一言一句間違える事なく祝辞を述べる。
大きな瞳は祝辞の用紙に
チラッと目線を落とすだけで、
あとは会場全体を見渡していた。
その時……
目線がパチッと合った……気がした。
俺に微笑みかけてくれた……気がした。
そう、きっとそれは俺の気のせい。
だけど恋をするのには十分なきっかけ。
もしそれが本当であっても、
俺は新入生の1人に過ぎない。
でもその恋を後押しするかの様に、
生徒会長と俺は出会った。