Welcome to our party 2 【気象系BL】
第85章 codename.Z by のさまじょ
全ての授業が終わって寮に帰る頃には、日も暮れて真っ暗だ。
校舎の裏にある寮の部屋に入ると、くたびれ果てている。
真夜中に訓練で叩き起こされることもあるから、夕飯までの短い自由時間は寝ることにしてる。
バディで同室でもある松本は真面目だから、道場で自主練なんだって。
俺は松本ほど体も大きくないし体力もないから、寝るに限る。
ここは孤児を集めて、スパイと呼ばれる人間兵器を作る学校。
外部の講師がそう言ってた。
それ以外の学校はどんなものなんだろうか。
記憶のある頃からここしか知らない俺たちにはわからなかった。
でも3月になると、ここを出ることになってる。
どこか遠い国で、日本のための仕事をするんだって。
それが一体どんな仕事なのか。
やっぱり俺たちには知らされていなかった。
ベッドに入って眠りに落ちそうになっていると、静かに部屋のドアが開いた。
「…二宮…?」
声の主は、同じクラスの大野だった。
「…大野」
「松本、居ない…?」
「居ないよ」
そっと部屋に入ってくる。
「…和也…」
「智…おいで?」
そう言うと、嬉しそうにベッドに入ってきた。