Welcome to our party 2 【気象系BL】
第84章 足りない0.1% by Namako
飲もうぜ、と言う斗真さんの誘いを車だからと断り、俺達はお茶で乾杯をすると、次々と出される斗真さんの料理に舌鼓を打った。
「俺、トイレ」
兄ちゃんが席を立つ。
するとカウンターから顔だけを出した斗真さんが、俺の顔をマジマジと眺めた。
「な、何ですか…?」
「いやさ、さっき似てないって言ったけど、アレ撤回するわ」
「は?」
首を傾げた俺に、斗真さんが盛大に吹き出して見せる。
「何かさ、見た目は全然似てないんだけどさ、空気感っての? やっぱ兄弟なんだな、って思ってさ」
「そう…ですか?」
もしかしてこの人、そんなに悪い人じゃないかも…
でも良く考えてみれば、兄ちゃんの友達に悪い人なんている筈がない。
「うん。それに、結構長い付き合いだけど、和のあんな幸せそうな顔見たことないし…。可愛くて仕方ないんだろうね、潤君のことがさ」
そう…なの…?
一緒にい過ぎて、俺が気付いてなかっただけ?
「そろそろ帰るか?」
「うん…」
トイレから戻った兄ちゃんに肩を叩かれ、俺は椅子から降りると、斗真さんに軽く頭を下げてから店を出た。
自然に繋がった手が、いつもより以上に暖かく感じる。