Welcome to our party 2 【気象系BL】
第84章 足りない0.1% by Namako
その後も兄ちゃんは俺が求めるままに、思い付く限りの思い出の地に車を走らせた。
途中お弁当タイムを挟みつつ、だけどね
そして最後の場所に着いた頃には、すっかり夜も更けていて…
「飯食って帰るか…」
そう言って入ったのは、今にも傾きそうな古びた定食屋だった。
「いらっしゃい」
色褪せた暖簾を潜ると、威勢のいい声が俺達を出迎えた。
「よぉ、元気だったか?」
カウンター席に並んで座ると、兄ちゃんがカウンターの向こうにいる、如何にもチャラそうな店員に声をかけた。
「おっ、和じゃん、久しぶり!」
えっ、何…、知り合いなの?
「もしかして?」
クイッと立てた親指を俺に向け、チャラ男がニヤリと笑う。
「ああ、弟の潤」
「ども…」
「で、コイツは幼馴染の斗真」
このチャラ男が兄ちゃんの幼馴染…?
何か、意外っつーか、何つーか…
「どうもどうも。いやぁ、話には聞いてたけど、全然似てないね? 超イケメン君♪」
「そう…ですか?」
まあ、似てないって言われるのは、今に初まったことじゃないけどさ、改めて言われるとちょっとショックかも…
イケメンて言われるのは嬉しいけど…複雑。