• テキストサイズ

Welcome to our party 2 【気象系BL】

第84章 足りない0.1% by Namako


マンションに帰ると、軽くシャワーだけを浴び、飲み損ねたビールで乾いた喉を潤した。

でも慣れない運転に疲れたのか、兄ちゃんが微睡み始めたのをきっかけに、二人でベッドに潜り込んだ。

「ごめんね、なんか俺の我儘に付き合わせちゃって…」
「ん…、構わねぇよ…」

兄ちゃんの腕が俺の腰を引き寄せる。

瞼は今にもくっつきそうなのに…

「ちょ…、和…」
「ククッ、何期待してんの? 急に“和”なんて…」
「べ、別に期待なんて…」

ちょっとしかしてないもん…

「ほら、こっち向けって…」

そっぽを向いた俺の背中に、兄ちゃんがピタリ張り付く。

もう…、心臓の音聞こえちゃうじゃんか…

「あのね、和…。俺ずっと焦ってたんだ…」
「何を?」
「俺と和の間にある、隙間を埋めたくて…」
「…で?」
「でももうやめた。無理だもん」
「何だそれ?(笑)」

だって、俺達の間にある隙間は、きっとすぐには埋まらないから…

だから…

「ねぇ、和…。これからいっぱい思い出作ろ? 俺達だけの…とっておきの思い出を…」

そしたらさ、いつか埋まるかもしれないじゃん?

俺達に足りない、0.1%の隙間が…きっと…



END
/ 722ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp