Welcome to our party 2 【気象系BL】
第84章 足りない0.1% by Namako
マンションに帰ると、軽くシャワーだけを浴び、飲み損ねたビールで乾いた喉を潤した。
でも慣れない運転に疲れたのか、兄ちゃんが微睡み始めたのをきっかけに、二人でベッドに潜り込んだ。
「ごめんね、なんか俺の我儘に付き合わせちゃって…」
「ん…、構わねぇよ…」
兄ちゃんの腕が俺の腰を引き寄せる。
瞼は今にもくっつきそうなのに…
「ちょ…、和…」
「ククッ、何期待してんの? 急に“和”なんて…」
「べ、別に期待なんて…」
ちょっとしかしてないもん…
「ほら、こっち向けって…」
そっぽを向いた俺の背中に、兄ちゃんがピタリ張り付く。
もう…、心臓の音聞こえちゃうじゃんか…
「あのね、和…。俺ずっと焦ってたんだ…」
「何を?」
「俺と和の間にある、隙間を埋めたくて…」
「…で?」
「でももうやめた。無理だもん」
「何だそれ?(笑)」
だって、俺達の間にある隙間は、きっとすぐには埋まらないから…
だから…
「ねぇ、和…。これからいっぱい思い出作ろ? 俺達だけの…とっておきの思い出を…」
そしたらさ、いつか埋まるかもしれないじゃん?
俺達に足りない、0.1%の隙間が…きっと…
END