Welcome to our party 2 【気象系BL】
第82章 ジャングルジムのおまじない by うめ
「じゃあ素敵な出逢いになります様に。乾杯♪」
「乾杯~♪」
居酒屋の個室に心地いいグラスの音が響く。
笑顔でビールを流していく雅紀と翔。
俺は…目の前で黙って一口飲むそいつをジッと見つめていた。
「智くんて呼んでいい?」
翔が自分の目の前に座る垂れ目の子に声を掛ける。
「んふ。いいよぉ翔くん」
そう言われると翔の目じりも下がる。
1番嫌がってたのに1番ノリノリじゃねぇか…。
「ねぇねぇ風間くん。風間くんはさ…」
雅紀はお目当ての風間くんに一生懸命話し掛けてる。
風間くん…割と地味めだけど…まぁ可愛い。
そして俺は…うつ向きながらビールを飲むそいつを黙って見続けた。
「にのどうしたの?松本くんが目の前に居るのに」
隣の大野くんがかずの顔を覗き込んだ。
「あ、いや…あの…」
「二宮くん大人しいね」
「でもノリノリだったんだよ。松本くんが来るなら行くって…」
「やだ止めてよぉ!」
「もが…」
笑いながら話す大野くんの口を慌てて塞いだその顔は真っ赤で…。
そのまま泣きそうな顔で俺を見つめた。
「ぼ、僕…トイレ」
「あ、かず…!」
個室を飛び出すかずを俺は慌てて追い掛けた。