Welcome to our party 2 【気象系BL】
第8章 少女漫画みたいな恋 by みきちん
「おい、ここはお前らの
憩いの場じゃねーぞ」
昼休み、いつものように
保健室で漫画を読む。
「いーじゃんか、ケチー」
「心外ですね……
タダで読ませてあげてるんですよ?
むしろ感謝してもらいたいです」
もう、煩い……集中できない。
自分の気持ちを確かめるように、
必死に少女漫画を読み漁る。
「そんなことを言っていーの?
じゃあ、漫画持ってきてること
校長先生に言っちゃおーかな?」
「それは……」
「へへっ……じゃあ黙っててあげるから」
ガタッと音が聞こえたあと、
急に智の声が聞こえなくなった。
視線を漫画から智の方にやると
身を乗り出して二宮先生に耳打ちしてた。
みるみる二宮先生の顔が紅くなる。
「かっ……からかわないで下さい!
もう、教室に戻りなさい!」
読んでいた漫画を取り上げれ、
保健室を出ていかされた。
結局、漫画を読んでも
その中に答えなんかなかった。
あくまでも漫画はフィクション。
現実のことは、
現実の世界でしか答えはないんだ。
「翔……大丈夫だよ」
智の方を見るとニッコリと笑っていた。
何も伝えてないのに、
智はいつも俺の不安に気づく。
そしてそっと気持ちに寄り添う。
何が大丈夫かわからないけど、
その言葉で前に進めそうな気がした。