Welcome to our party 2 【気象系BL】
第76章 Que Sera,Sera by Namako
「これ、お兄さんが捨てたんでしょ?ちゃんとゴミ箱捨てないと…」
そこには俺が捨てた缶を手にした、脳天気な笑顔の男が立っていて…
仕方なく缶を奪い取ると、それを今度こそゴミ箱に投げ入れた。
普段の俺なら、全力で無視するのに、何故だかソイツの笑顔には逆らうことが出来なかった。
「これで文句ないだろ?」
ぶっきら棒に言い捨てると、俺は再び踵を返し、足を一歩踏み出した。
ところが、だ…
「お礼は?」
呼び止める声に振り返る。
「はあ?何で礼なんか…」
別に何をして貰ったわけでもないのに…?
「うーん、じゃあ…ごめんなさいは?」
「いや、アンタに謝る必要ある?」
「そか…、じゃあお礼して?」
意味分かんねぇ…
こういう奴には関わらない方が賢明だな。
後々面倒なことになり兼ねないし…
「はいはい、どうもありがとうございました」
今度こそ、と歩を進め始めた俺を、そいつは足音をバタバタと鳴らして追いかけて来て…
「ねぇ、ご飯食べさせて?」
俺の腕を掴んだ。
何で俺がっ…と、思いつつも、俺はその手を振り解くことが出来ず…
「お帰り~。今日は早かったんだね?」
気付けばソイツは俺の家に住み着いていた。