Welcome to our party 2 【気象系BL】
第76章 Que Sera,Sera by Namako
月が欠け、また満ちて行くように…
潮が満ち、また引いていくように…
人の人生なんて同じことの繰り返し…
同じことを何度も繰り返しながら、ただ流れに身を任せていれば、勝手に時は過ぎて行く…
ずっとそう思っていた。
アイツに会うまでは…
いや、厳密には彼を”拾うまで“は、だ。
その日は何をやっても上手くいかないことばかりで…
取引先との待ち合わせ場所は間違えるし、漸く待ち合わせ場所に辿り着いたと思ったら、今度はプレゼン用の資料を忘れるし…
挙句、確実だと思っていた契約は破棄になるし…
「ああっ、クソッ…。マジついてねぇ…」
公園のベンチに座って、コンビニで買った缶ビールを一気に煽り、空になった缶をゴミ箱に向かって投げた。
でもゴミ箱に入る予定だった缶は大きく的を外れ…
カランと音を鳴らして地面に転げ落ちた。
「チッ…、どいつもこいつも俺をバカにしやがって…」
俺はベンチから立ち上がると、地面に転がった空き缶に目も向けず歩を進めた。
その時、
「ちょっとそこのお兄さん。ゴミはちゃんとゴミ箱に入れなさいって、学校で習わなかった?」
突然背後からかかった声に、俺は思い切り眉を潜め振り返った