Welcome to our party 2 【気象系BL】
第72章 彼は誰時 ─Before dawn─ by あにゃ
いつも一緒だった。
初めて出会ってから12年。
突然兄弟になった俺たちだけど、まるで生まれた時から一緒だったみたいに気が合って。
気が付けば、智は俺の人生になくてはならない人になっていた。
「…それは、俺も一緒だよ…」
手を伸ばせば触れられる距離で、智が苦しそうに呻く。
「だけど…いくら血が繋がってなくっても…戸籍上は兄弟なんだから…ダメなんだって何度も言い聞かせて…」
それでも、止められなかった想い。
あの日、互いに同じ想いを抱えながら肌を重ねた
言葉にしなくても、通じ合ったと思っていた。
溢れた涙は、喜びの涙だと。
なのに。
1人、取り残されて…
「…怖かったんだ…潤の未来を、俺が歪めちゃうんじゃないかって…」
伸ばした手が触れた肩は、小さく震えていて。
思わず、引き寄せて抱きしめた。
「ダメっ…潤っ…!」
抗おうとする体を、強く抱き込む。
「ねぇ…俺、二十歳になったんだよ?」
もう、子どもじゃない。
自分の道は、自分で選び取る。
例え智にだって、俺の未来を閉ざすことは出来ないよ?
俺は、俺の責任で。
「ずっと、智の傍にいる」