Welcome to our party 2 【気象系BL】
第72章 彼は誰時 ─Before dawn─ by あにゃ
「ダメって言っても無駄だよ?もう、父さんたちは説得してきたんだから」
真珠のように零れ落ちる涙を指で掬いながら告げると、目をまん丸にして。
やがて、ふわりと微笑んだ。
陽だまりのような、大好きな笑顔で。
「いつの間にか…大っきくなっちゃって…」
どことなく悔しそうな声音に、つい笑いが込み上げた。
「智が、ちゃんと傍で見てないからだよ」
「むぅ…」
「智は、全然変わってないね?」
「うるさいなぁ。これでもちょっとは大人になったんだぞ?」
「どこが?」
子どもみたいに膨らんだほっぺを突くと、突然ぐるりと世界が回って。
気が付いたら、ふかふかのラグの上で、智を見上げてる。
「え、ちょっと、智…?」
「じゃあ潤がどれくらい大人になったのか、確認してあげる」
「ひゃぁっ…!」
ジーンズの上からスルリと撫でられて。
体が勝手に跳ねた。
「ここも、大人になったかな~?」
「そんなとこ、どうやって大人になるんだよっ!」
「ん~?前はすぐにイッちゃったからさ、少しは我慢出来るようになったかなぁ?って」
「な、なるわけないだろっ!さ、智に触られると…我慢、出来ない、から…」
「潤…おまえ、可愛すぎっ!」
これから先も。
俺たちの道は1つだよ。
「うん」
じゃれ合う俺たちを、窓から差し込む柔らかな陽射しが包み込んでいた。
《End》