Welcome to our party 2 【気象系BL】
第69章 おかえり by のさまじょ
何度も…何度も何度も愛し合った。
あのシェルターの中で初めて結ばれたときよりも、強く抱いた。
「智…」
「雅紀…もっと、名前…呼んで…?」
「智…あぁ…智…」
夜の闇が明けても、俺たちは繋がり続けた。
幸せだった…
「なあ…雅紀…?」
「なに…?」
「俺、どうやったら死ねるんだろう…」
「なんでそんなこと言うの…?」
「だって…雅紀が先に死んでしまったら、俺…またひとりになってしまう…」
「智…」
そっと優しく、雅紀は胸に俺を包んだ。
「もう離れたくないよ…雅紀…」
「うん…じゃあ、あの扉を開けて…?」
「え…?」
雅紀は微笑んで、空を指差した。
「そうしたら、一緒に行けるから…」
ガクン
身体が揺れた
目を開けたら、そこはシェルターの中で…
「雅紀…?」
ベッドの上には、雅紀が眠っていた。
ああ…夢だったんだ…長い、夢…
天井を見上げると、ハッチが見えた。
「そうか…あの扉…」
待ってて…雅紀…
今、行くから…
息の絶えた身体を抱き上げると、強く抱きしめた。
「愛してる…」
ハッチのレバーを引くと、どす黒い空気が俺を包んだ。
END