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Welcome to our party 2 【気象系BL】

第69章 おかえり by のさまじょ


何時間も、何時間もただそのベッドを見つめた。
床で眠ってしまって、目が覚めると慌ててベッドを覗き込んだ。

「雅紀っ!」

真っ白だった雅紀に血の気が戻って…

「雅紀っ…雅紀っ…」

蓋を叩いて、何度も何度も名前を呼んだ。

やがて、瞼が震えて…

「雅紀っ…」

蓋を開けると、雅紀が目を開いた。

「さとし…?」
「雅紀…雅紀ぃ…」

後から後から流れる涙を、止めることができなかった。

「…どうして…?」

雅紀の頬に触れた。
温かい…

「雅紀…地球が、蘇ったよ…」
「え…?」
「俺たちは戻ってきたんだよ…地球に…」

雅紀の衰えた身体じゃ、外に出ることはできなくて。
なんとかハッチから身体を持ち上げて外に出た。

「ああ…嘘だろ…本当にここは地球…?」
「雅紀…果物があったんだ…それから水も…ここに居て。俺、取ってくる!」

シェルターの中から持てるだけの容器を持ち出して、果物や水を両手に抱えて砂浜に戻った。

「ああ…おいしい…智…」
「よかった…ゆっくり食べるんだよ…?」
「うん…うん…」

太陽が水平線の向こうに沈んでいく。
オレンジ色の世界は、俺たちを優しく包んだ。



「…おかえり…雅紀…」
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