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Welcome to our party 2 【気象系BL】

第69章 おかえり by のさまじょ


もう何も考えられなかった。
天井の出入り口のレバーを引くと、鈍い音を立てながらハッチは開いた。

「ああ…ああああっ…」

懐かしい匂いがした。

太陽の匂い
地面の匂い
そして、木々の匂い

滅びたと思った世界が…地球がそこにはあった

砂浜に降りると、温かかった。
素足の下の砂を踏みしめながら、久しぶりの世界を楽しんだ。

ジャングルの中に分け入ると、大きな木々の間に植物が生い茂っていて。
実のなる植物を見つけると、手に取った。

「雅紀…雅紀、雅紀、雅紀…」

水…そうだ、水だ

雅紀が眠る前、水ばかり欲しがって…

湧き水を探して、さまよい歩いた。

「あった…!」

水を入れるものが無くて…
でも、ここに雅紀を連れて来ればいい。

そしたら、たくさん飲めるんだから…

急いでシェルターに戻った。
なんとかよじ登って天井から入ると、ベッドに駆け寄った。

「雅紀っ…」

あの日のまま、雅紀はそこで横たわっている。
震える指で、コールドスリープを解除した。

「もうすぐ…もうすぐ会える…」

体の奥から歓喜が湧き出して、叫び出しそうだった。

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