Welcome to our party 2 【気象系BL】
第64章 流転 ーRU-TE-Nー by Namako
小鳥の囀りに、俄に重い瞼を持ち上げる。
まだ覚めきらない目を手の甲で擦り、隣で寝息を立てる恋人に視線を向けた。
「気持ち良さそうに寝ちゃって…。今日が何の日か分かってる?」
今にも鼻提灯を吹きそうな鼻を、軽く指で摘んでやる。
それでも一向に起きる気配のない恋人に、一つ溜息を落としてベッドを抜け出すと、窓を覆うカーテンを一気に開け放った。
「めっちゃ天気いいじゃん」
窓から差し込む朝日に、茶色く染めた髪が透けて、キラキラと光る。
「おーい、雅紀、もういい加減起きろよな?」
一つ大きな伸びをして、ベッドに視線を向けると、途端にキュッと閉じられる瞼。
「つか、起きてんだろ?」
「ちぇっ、バレてたか」
「当たり前だ。寝た振りすんならもっと上手くやれよな」
「だってさ、あんまり綺麗だったんだもん、智の髪キラキラしててさ」
ベッドの端に腰を下ろした智の顔を引き寄せ、柔らかな髪を指で梳く。
「ねぇ、髪だけ?他は?」
元々膨よかな頬を更に膨れさせて、雅紀の額を指で突く。
それにも雅紀はクスリと笑って、智の頬を両手で挟むと、首だけを持ち上げて、尖らせた唇に自分のそれを重ねた。
「もう、そんなことじゃ誤魔化されないんだからね?ほら、さっさと起きて?」
「えっ、ちょっ、寒っ…」
智が布団を剥ぐと、朝の冷たい空気に、その長身を丸めて、大袈裟に震えて見せた。