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第64章 流転 ーRU-TE-Nー by Namako
互いの身体を繋げたまま、意識を朦朧とさせ、息を乱す碧の君を床に横たえると、その横に寄り添う様に、翠の君もまたその身を横たえた。
天井からは火の粉が舞い、寝殿を取り囲んだ焔は、絡み合った足の先すぐ傍にまで迫って来ていた。
そっと濡れた睫を伏せた碧の君の漆黒の髪を撫でると、その額に、頬に、そして唇に口付けを落とした。
「其方は怖くはないのか?」
「いいえ、少しも…。貴方がこうしていて下さるなら、私は少しも怖くなどございません…」
黒曜石の如き瞳に、赤く燃え盛る焔と翠の君の姿を映しながら、碧の君はこの上なく柔らかな笑みを浮かべる。
「そうか…、そうだな…。私も其方が傍にいてくれるなら…何も恐れる物はない」
碧の君の手を取り、きつく指を絡めると、その華奢な指に口付ける。
交わった視線を解くことなく…
「翠の君…、一つだけ…、私と約束をして下さいませんか?」
「聞こう…、碧の君、其方の願いならばどのようなことでも…。さあ、申してみよ」
翠の君は僅かに上体を起こし、大粒の黒瑪瑙と見紛うばかりの目を細めて、碧の君を見下ろした。
髪の先から落ちた雫が、碧の君の頬を濡らす。
「もし…、もしも来世があるのなら、また私を愛してくださいますか?」
例えこの身が燃え尽きてしまったとしても…
貴方と…
「約束しよう。来世でも必ずや其方を見つけ出し、命尽きるまで其方を愛そう」
「嬉しい…。ああ…、愛しています、翠の君…」
「私もだ。碧の君、其方を心より愛している」
此れまでも、そして此の先も永遠に…