Welcome to our party 2 【気象系BL】
第59章 眩惑 by つぎこ
「…近しい人はいたのかな。」
「…心許せる人はいたのかな。」
「…押し潰されそうな時、誰か救ってくれる人はいたのかな。」
「…たぶん孤独だったと思うんだ。」
雅紀がポツリポツリと口を開く。
感情を抑えた、胸が押し潰されそうな声だ。現実の自分と重ね合わせているのかもしれない。
俺と雅紀との距離はそう離れてはいない。なのに遠く隔てるような壁が存在しているように感じた。
「…失礼いたします。」
一人にはしておけない。無作法を承知で傍に寄ると、足元に片膝を付いた。
「…それともそれすら気付いてなかったのかな。」
雅紀らしいというか…
意図したものとは別のものを感じ取ってくる。
表の煌びやかな部分じゃなくて、その裏にあるもの。
窮屈さとか、寂しさとか…
感覚的なもの。
「…なんか切ないね。」
雅紀の手がすっと伸びてきた。
「…ねぇ。寂しいよ。」
縋るような瞳が俺を捉える。
切なげで儚げで…
目を逸らすことができない。
君は…誰?