Welcome to our party 2 【気象系BL】
第59章 眩惑 by つぎこ
惹き寄せられるように、そっとその唇に口づけた。
『 彼 』は、花が綻ぶように微笑んで…
そして事切れるように、腕から崩れ落ちていった。
天蓋のビロードの中で、昏々と眠り続ける雅紀。
『 君 』は誰なの?
現実だったのか
それとも夢か幻か…。
唇に残る甘い芳香…
在りし日の、想いを遂げた口づけ。
仕方のない御方ですね…
そんな声が聴こえた気がした。
「 知恵熱じゃね? 」
翌日、熱を出してしまった雅紀をメンバーが冗談混じりに揶揄った。
秘めた恋心、身分違いの恋。
リンクして重り合ったのは雅紀ではなく、俺のほうだったのかもしれない。
砦の中の、囚われの御前様。
囚われたのは…
END