Welcome to our party 2 【気象系BL】
第59章 眩惑 by つぎこ
…。
ここは先輩として、腕の見せ所かな。
そもそも今回のミッションは、忙しない日常から離れ、その優雅な暮らしぶりを体験することだ。所謂、強化合宿ってとこだろう。
「…御前様、お食事はいかがでしたか? 」
「…満足だ。」
マネージャーが準備してくれていたケータリングのフルコースを、御前様はきれいに平らげた。
なかでも枇杷のシャーベットは大層お気に召したらしい。ご機嫌もすっかり直ったようだ。
こうなると俄然、雅紀の血が騒ぐ。
持ち前の好奇心、目をキラキラさせながら鑑定人宜しく調度品を品定めしたり、ホラーハウスの如く、広い邸内の探検に行ったり…。
「…でね、超広いんだって。迷子になるかと思った。鉄の鎧とかあってさ…。櫻井も来ればよかったのに…。」
十分に満喫して、御前様はご満悦のご様子だ。
貴族ごっこだな。
雅紀と御前様は行ったりきたりで…
だから俺も、執事になったり『 翔ちゃん 』に戻ったりで、行ったり来たりだ。
それでも玉座にゆったりと身体を委ね、寛いでいる雅紀の姿は、画的にはそう見えなくもない。