Welcome to our party 2 【気象系BL】
第58章 貴族探偵はつらいよ by みきちん
「はぁ、疲れた」
大きなスーツケースを
玄関に置くと同時に座り込む。
「休んでないで、
衣装ちゃんとハンガーにかける」
「へーい」
潤に言われて、リビングに運ぶと
自分が着ていた貴族の服を取り出す。
ホント、何だよこのテカテカの衣装。
そのせいで、洗濯出来ねーんだよ。
ハンガーにかけると、
洗濯代わりのスプレーを吹きかける。
「今日も見事な推理だったね」
先に片づけを終えた潤が、
みんなのビールを持ってリビングに向かう。
「そう?アイツ、ずっと挙動不審だったし
トリックも単純だったよ」
アニメみたいな複雑な殺人なんてないよな。
「それより……
再現VTR凝り過ぎじゃね?」
「だってそれがないと俺たち地味なんだもん」
「いや、和は十分目立ってるから」
潤の言葉に智がウンウンと頷く。
「じゃあ、今度智か潤がメイドすれば?」
「「遠慮します」」
「雅紀でもいいんだからね」
クスクス笑っていた俺に白羽の矢が立つ。
「さっ、乾杯しよ」
話を咄嗟に切り替え、缶ビールを手に持った。
「お疲れー!」
俺たちの仕事……それは貴族探偵。