Welcome to our party 2 【気象系BL】
第55章 Eternal YOU~緑光 by のさまじょ
雅紀様は順調に馴染まれた。
今日も窓辺のカウチで、長い時間読書をされている。
「紅茶が飲みたい」
優雅に私に向かって仰られる姿は、とても気品に満ちていて。
このお屋敷に来た頃の、おどおどとした姿はどこにもなかった。
「只今…」
ティーワゴンを部屋に運び、紅茶を淹れると嬉しそうにその唇を綻ばせる。
「ジョルジだね…」
「はい」
「いい香り…」
カップを口元に運ばれると、一口含まれた。
「…やっぱり、美味しい…」
「ようございました…」
ソーサーにカップを置かれると、じっと私を見つめた。
「翔…」
何も答えず、真っ直ぐに見つめ返す
「お願い…傍に…僕の傍に来て…?」
ああ…お戻りになられたのですね…
ばさりと雅紀様の手から本が落ちた。
その本の名は、千櫻記…
「おかえりなさいませ…和也様…」
END