Welcome to our party 2 【気象系BL】
第55章 Eternal YOU~緑光 by のさまじょ
猫脚の浴槽に浸かりながら、やっと僕は身体を伸ばす。
「ああ…」
息を吐きながら、亡くなった友を思い出す。
「ニノ…」
これで…良かったと思う…?
僕は…ここでしあわせになってもいいと思う…?
相葉の家では、僕は透明人間だった。
だって僕は…妾腹の出だから。
妾である母が亡くなったから、仕方なく僕を引き取ったんだ。
学校だけが息を付ける場所。
ニノはそんな僕の境遇に酷く同情して、仲良くしてくれた。
「君が導いてくれたの…?」
あんな冷たい家に居る僕を、救い出してくれたの…?
「雅紀様っ…」
櫻井の慌てた声で目を開けた。
「ああ…良かった…」
「どう…したの…?」
「いえ…あまりにも長いので様子を見に…」
いつのまにか、浴槽で眠ってしまったみたくて。
「すいません…」
「いえ、ご無事ならいいのです…」
櫻井の手が、僕の頬に触れた。
冷たくて…気持ちいい…
「逆上せて…しまいます…」
ねえ…もっと触って…?
「雅紀様?」
はっと、した。
今…何を考えた…?