Welcome to our party 2 【気象系BL】
第6章 試写室 by のさまじょ
この撮影に入ってから、潤の俺に対する態度が少しだけ変わった。
撮影以外でも、なんとなく俺の近くにいる。
そして、目が合う。
それは、映画の中のワンシーンの様に…
大学の中庭を歩いていると、向かいから彼が歩いてくる。
なんとなく…
美しいと思ったあの日から、俺はちゃんと彼を見ることができなくなっていた。
目を見ないで会釈してすれ違うと、ちらりと後ろを振り返った。
彼は…
立ち止まってこちらを見ていた。
中庭に立つ彼は、一枚の絵画のように美しく。
俺は目を逸らすことができなかった。
「はい、カット!」
監督の声が掛かっても、俺は暫く動くことができなかった。
潤が、美しくて。
それに、俺を見つめる目…
今まであんな目で俺を見たことがあっただろうか。
引き込まれる…
役が、入ってるだけだ。
わかってる。
だけど俺の心は乱れる。
押し殺していた自分の気持ち…
なんで…この仕事を引き受けてしまったんだろう…