Welcome to our party 2 【気象系BL】
第6章 試写室 by のさまじょ
この映画は、大学の准教授と社会人枠で入学した男の話だ。
100万部を超える大ヒットとなった『涙、ひとしずく』という小説の映画化だ。
巷では禁断の愛とか言われているが、そのような要素は匂わせているだけで、別に手を握るわけでもないし行為をするわけでもない。
男同士の友情から少し発展した関係性を描いた作品だ。
大学の卒業と共に、その関係は終わる。
初恋にも似た淡いもの…
でも同性同士だから恋ではない。
恋と性別と人間を超越した、とてもむずかしい話だ。
潤はわかるけど、なんで俺んとこにこの話が来たのか、謎だ…
大体、こんな儚い作品に俺は向かない。
「櫻井くん、いいね。この表情…」
監督のつぶやき。
「え?」
「この表情、とても自然でいい」
潤が俺の顔を見て頷く。
”俺も、そう思う。”
そう言っているようだった。
「…ありがとうございます…」
どう答えていいかわからなかった。
だって、本当に俺は見惚れていたんだから…
演技なんかじゃなく…
潤に…