Welcome to our party 2 【気象系BL】
第54章 仰せのままに♡ by Namako
「じゃ、早速だけど始める?」
翔ちゃんがバッグの中から台本を取り出しページを捲る。
「うん。まずは影山の登場シーンからでいい?」
俺も台本を開き、それを手にソファーに足を組んで座った。
「じゃあ、始めるよ?」
俺は一つ咳払いをしてから、台本に書かれた台詞を、声に出して読み始めた。
…でも、
「あ~、なんか違うんだよね。ほら、なんつーかさ、この設定だと影山は過去に御前様に仕えてたわけじゃん? だったらさ、もっと執事らしく扱ってもいいんんじゃね?」
確かに翔ちゃんの言う通りだ。
俺は翔ちゃんを”執事の影山”として見れていない。
「遠慮すんな。今は”執事の影山”だからさ」
そうだ…。
今の翔ちゃんは、俺の知ってる“翔ちゃん”じゃなくて、“執事の影山”なんだ。
瞼を閉じ、息をスッと吸うと、俺は頭の中を御前様モードに切り替え、台本閉じた。
「影山、お茶を頼む」
「はい、御前様」
翔ちゃん…基、影山がポットからカップにアイスティーを注いだ。
「本日の茶葉は、スリランカ産のディンブラを使用してございま…、ぉわっ…!」
「へっ…?」
瞬間、ティーカップが宙を舞った。