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Welcome to our party 2 【気象系BL】

第49章 時告 by millie


「翔くん、一つ聞いてもいい?」

智くんが控えめに聞いてくる。
この人になら何でも話せる気がして頷いた。

「その時計、なんで動いてないの?」
「ある日突然動かなくなったんだ…。後でわかったんだけど…それが…彼が……この世に別れを告げた時間だった……」

この時計は最後まで医師であろうとした彼が、もうどうしようもなくなって…入院した病院で俺の腕に託した物だった。

『翔、これ、やるよ。もう一人の俺から貰った大事な時計なんだ…。医者になった時に…「これからの時をこれと刻んで」って。俺の時間はもう…そんなに長くないから…俺の代わりに翔の時を刻んで…』

あの日の彼の声が聞こえる…。

「俺、そんなこと言うなって、一緒に生きようって言いたかったけど…言えなかった。だって…あの人…全部わかった上で笑ってたんだよ…ずっと…」

智くんは黙って俺の言うことを聞いてくれた。
まるで彼に聞いてもらってるみたいでまた涙が溢れた。
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