Welcome to our party 2 【気象系BL】
第49章 時告 by millie
散々泣いて漸く落ち着いた俺は智くんに聞かれるままに自分の話をした。
自分は医者で先輩で同僚だった最愛の人を病気で亡くしたこと。
その人は同性で名前が『智』だったこと。
人生の半分を共に過ごしたけど…家族ではなかったから…最期を看取ることが出来なかったこと…。
智クンが俺に遺したのは腕につけたこの時計だけだということ。
そして…彼の姿が目の前の智くんにそっくりなこと…。
「そっかぁ…翔くんは大事な人を亡くしてしまったんだね…。翔くんと同じ…とは言わないけど僕もね、片割れを亡くしたんだ…。ずっと離れ離れで暮らしてたけど…すごく大切だったんだ…。だからね…少し気持ちがわかるよ…」
智くんの声が俺を包み込む。
智くんの悲しみが俺に流れてくる気がして俺はその華奢な体を抱きしめた。