Welcome to our party 2 【気象系BL】
第44章 君と描く未来、その先へ… by Namako
「ん…、ココは…?」
「家だよ?」
隣で瞼を擦る智君に、読んでいた雑誌を閉じ答えてやる。
「起こしてくれるって言ったじゃん…」
「あんまり気持ち良さそうに寝てるからさ…」
少しだけ膨れた頬にキスを落とし、髪を撫でてやると、擽ったそうに肩を竦めてみせる。
「黙っててごめんね?」
個展のことを言ってるんだろうか…
「それから、貯金全部使っちゃった。翔君がせっかく貯めててくれたのに…空っぽになっちゃった…」
智君が俺の膝に頭を預けながら、申し訳なさそうに目を伏せる。
「でも俺さ…」
「分かってるよ。“夢”だったんでしょ、個展。その為に今まで頑張って来たんでしょ?」
膝の上で小さく頷く。
「だったら俺は何も言わないよ?」
「ありがと…、翔君…」
まだ眠たさの残る目に、涙が浮かぶ。
それを指の腹で掬ってやると、潤んだ目に、僅かに浮かぶ欲の色。
「お祝い、しようか?」
「うん…して? お祝い…」
智君の両腕が俺の肩に回り、俺達は引き寄せられるように唇を重ねた。
“おめでとう”
あの場所で言いたくても言えなかった言葉を、心の中で何度も何度も繰り返し伝えながら…