Welcome to our party 2 【気象系BL】
第44章 君と描く未来、その先へ… by Namako
どこまでも続く青い空…、いや海?
そこに佇む二つの人影。
一つは一歩前を歩き、遥か彼方から差し込む光を指さしていて、もう一つはその影に寄り添うようにして光を見上げている。
幻想的、そんな言葉が似合う絵だった。
「実はね、内緒にしてたんだけど、コンクールに出展したんだ。そしたらね、小さいけど、賞を貰えたの」
知らなかった…
一時帰りが遅いことが度々あったけど、まさかコンクール出展用の絵を描いていたなんて、思ってもいなかった。
「す、凄いじゃん…」
「でね、絵画教室の講師の人に、記念に個展開いてみないか、って言われて…。本当はね、相談しようかとも思ったけど、どうしても驚かせたくて…」
そう言えば、このところ何か言いたげな顔をしていたな、なんて今頃になって思う。
ふと視線を絵の下に向けると、小さなプレートにタイトルが書かれていて…
「“翔”…、…俺?」
「ううん、“翔”って書いて“カケル”。別に深い意味はないんだけどね?」
そう言って智君は照れ臭そうに笑った。
でも俺には分かる。
この絵は、俺達の姿だ、って…
そう思った瞬間、俺は人目を憚ることなく、智君を抱き締めていた。