• テキストサイズ

Welcome to our party 2 【気象系BL】

第43章 旅立ちの日に by うめ


「おいら…自分の夢を熱く語ってる翔が好きだった」


親指で俺の涙を拭いながら…先生は語り出した。


「世界に通用するジャーナリストになりたいって…その為にニューヨーク大学に行くんだって…いつも言ってたじゃんか」


「でも…離れたくないって思わせたのは…先生だよ…」


「………『行くな』って…言いたいよおいらだって。でもさ…」


「………」


「大切な人の成長を妨げる様な愛し方は…したくない」


「先生…」


「………頑張って来い。翔ならやれる。大きくなって…戻って来い」


「………大きくなれなかったら…?」


「翔ならやれる。でももし…上手くいかなかったとしても翔はきっと大きくなってる筈だ。翔が全力で挑んだ証が…そこにはきっとある」


「………うん…」


「おいらも翔に相応しい男になる。大きな男になって待ってる。だから…思いっきりやって来い」


「………はい先生…」


「もう先生じゃないだろ…」


「………さ、とし…」


やがて…また彼の唇が重なる。
今度は…深い。深い…キス。
そしてそのまま彼の腕が俺を押し倒していった。
大好きな香りに包まれながら…俺は智と最後の一時を過ごした。


その日から一度も逢わないまま、俺は彼の元を旅立って行った。

/ 722ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp