Welcome to our party 2 【気象系BL】
第42章 淡雪 by あにゃ
「えっ?こっちに戻ってきたの!?」
俺の言葉に、また目を丸くした。
「そう。だからさ…」
手を伸ばして、その頬をするりと撫でる。
「もう、強がんなくていいんじゃない?」
見開かれた瞳に、みるみるうちに涙が溜まってく。
「ずっと、いる。智くんの傍にいるよ。だから…」
頬に触れた手に、涙が一粒ポトリと落ちてきた。
「ちゃんと言って?俺のこと、好きだって」
宿題を提出し、彼の採点を待つ。
言えなかったんだよね?
俺を縛る言葉を。
君は俺のためを思って、「頑張れ」ってその言葉だけを残してくれた。
そうでしょう?
俺の答え、100点かな?
でもさ。
俺はそんな言葉なんか要らなかった。
ただ、一言でよかったんだ。
俺が欲しかった言葉は……
「…ずっと、待ってた。翔くんのこと、ずっと待ってたよ」
真珠の涙をいくつも溢しながら、彼の唇が欲しかった言葉を紡いで。
大好きだった柔らかい微笑みを浮かべてくれた。
「好きだよ。翔くんのことが、誰よりも好きだよ」
突然吹いてきた風が、水面を揺らす。
その優しい春風に包まれて、俺たちはいつまでも抱きしめあっていた。
《End》