Welcome to our party 2 【気象系BL】
第39章 ひょうたんからチョコレート by のさまじょ
実家に着くと、二宮はもじもじと部屋で座り込んだ。
カンバスをイーゼルに立てかけると、俺は油絵の道具を出して準備し始めた。
「適当にしててな」
何もしゃべらない二宮に構わず準備してると、肩にトンと何か当たった。
「ん…?」
赤い包装紙とリボンに包まれた箱。
「なに…?これ…」
「あげます」
「は?」
「道具の…お礼…」
「ああ…サンキュ」
受け取ってテーブルに置こうとしたら、怒られた。
「開けてよ!」
「は?ああ…」
リボンを解いて包装紙を開けると、中からチョコレートが出てきた。
「へ…?」
今日は2月11日
もうすぐバレンタイン…だよな…
「に、二宮、これって…」
二宮は真っ赤な顔をしてうつむいてる。
そう…あの時みたいに。
「お…お礼だもん…」
「そ、そうだよなあ!」
バレンタインなわけあるか。
「ついでに…」
「え?」
「大野先輩のこと…好きに…なったから…」
「えっ…だって、相葉は!?」
「な、何で知ってるの!?」
「あっ…いや…」
「しょうがないじゃん…好きになっちゃったんだもんっ…」
そう言って二宮は俺の胸に飛び込んできた。
「わわっ…」
「相葉先輩に振られて…大野先輩のこと見てるうちに…好きになっちゃったんだもんっ…悪い!?」
「わ…悪く、ない」
「え…?」
甘い甘いチョコレートの香りと、二宮の匂い。
頭、おかしくなりそう。
「ほんと…?」
「う、うん…」
二宮がゆっくりと目を閉じた。
訳がわからなかったけど…
俺はその唇に、口付けた。
ひょうたんから、チョコレート
「んまい…」
「うふ…♡」
END