Welcome to our party 2 【気象系BL】
第39章 ひょうたんからチョコレート by のさまじょ
見ているとヨタヨタとキャンバス地に翻弄されている。
顧問の先生は二宮をからかいまくってる。
真っ赤な顔をして二宮はカンバスと格闘していた。
「おおい…大野…二宮に教えておいてやれよ…これじゃ絵の一枚もこいつ描けないぞ」
「…先生…そいつ、油絵の道具、持ってませんよ?」
「えっ…」
部活はもう引退してるけど、俺は美大に通うことが推薦で決まっていたから放課後は部室で絵を描いてた。
大抵美術部を引退していくやつらは、家でも油絵の道具を持っていたから、引退するとき授業で使ってたやっすい道具は部活に寄付していく。
二宮はそんな道具をちまちまと使いながら、見よう見まねで絵を描いていた。
だけど、他のやつとは違って、自分専用の道具を持とうとはしてなかった。
「だっ…だって!大野先輩のを貰おうと思ってたんだもん!」
真っ赤な顔で、おかしなことを叫ぶから面食らった。