Welcome to our party 2 【気象系BL】
第38章 Bitter sweet by つぎこ
「…言葉返すようで悪いけどさ、いい加減にして欲しいのは、お前だからね? 」
窘めるような口ぶりと、小さなスイーツたちが一緒に舞い降りる。
「 櫻井に釘を刺されてたんだよ。新人には最低一年は手を出すなって…。あー…もうちょっとだったのに。」
大野さんはネクタイを緩めながら、独り言みたいに言って、天を仰いだ。
「…ま、いっか。どうせ限界だったし。最近ね、無性に欲しくなってきてたんだよね。」
諦めたように肩を竦めると、ポケットから金色の丸い包みを取り出した。
「…無性にね。 」
唇に押し付けられたのは、溶けかかったショコラボンボン…。オレンジのリキュールがふわりと鼻に抜けていく。
このオレンジ…さっきの…。
「…内緒、だからな? 」
耳元に届いたのは、甘く蕩けるような、オトナの囁き…。
ふわりと甘いが立ちこめる。
日付は越えた。
欲しいのは、甘い甘いチョコレート…。
END