Welcome to our party 2 【気象系BL】
第38章 Bitter sweet by つぎこ
「…気は…済んだか? 」
ほらね、これが現実で…
「…これだから…お子様は困るんだよ。」
この人には何も届きっこないんだ。
「…っ。」
突然、背中に衝撃が走った。
気付いた時には、大野さんを見上げていた。
デスクに押し倒され、思いがけなく強い力で両腕を拘束されている。
「…チョコレートケーキ、ねぇ。」
大野さんは片手で俺を拘束したまま、転がっていた小さな塊を拾い上げた。
「…ちょっと女子力、高すぎじゃね? 」
目の前に翳されたケーキ型の消しゴムは、幼稚で実用性もない、ただの塊…。
「…返せよ。」
「…やだね。これは今夜の収穫なんだから。」
「…収穫ってなんだよ。」
「…収穫は収穫。」
大野さんはそう言い切ると、ゆっくりとした動きで
消しゴムを握り込んだ。
そしてまたゆっくりと手を開く。
手のひらから魔法のように現れたのは…
カラフルなキャンディに…
マカロン、クッキー、アイスクリーム、プリン、ドーナツ…
見覚えのある消しゴムたちが、パラパラと零れ落ちてきた。