Welcome to our party 2 【気象系BL】
第38章 Bitter sweet by つぎこ
ポン…と、軽い音ともに、頭の上で何かが弾んだ。
「…サボってんじゃねーよ。」
見上げると、すぐ後ろに雅紀がいて、その手には衝撃の犯人と覚しき、棒状に丸められた資料が握られている。
サボってねーし…。
そんな人聞き悪い指摘を受ける覚えは一切ない。一瞥して、後はシカトした。
ポン…ポンポン…ポンポンポン…
「…おい。」
連打は勘弁してくれ…。
頭をガードして、応戦態勢に入ろうとした時だった。
「…遊ぶな。雅紀、行くぞ? 」
櫻井さんが雅紀を呼んだ。
「…はいっっ。」
雅紀は弾かれたように返事をして、急いでブリーフケースを抱えると、飼い犬のように後を付いていく。
その後ろ姿には、今にも尻尾が見えてきそうだ。
誰かさんとは対照的に、面倒見のいい櫻井さんは、所謂理想の上司ってやつで…。
雅紀がなにかと俺に干渉したがるのも、間違いなく彼に感化されているからだと思う。
単純なもんだ。