Welcome to our party 2 【気象系BL】
第33章 メッセージ by mimimama
そぉっとまた顔を引っ込めた。
出るタイミングを失って、俺は大野さんが楽屋を出て行く方に賭けた。
暫くすると俺の願いが届いたのか、大野さんが楽屋を出て行ったようだ。
部屋の中が静かになった。
すぐに自分のバッグを開けて中を確認する。
「あっ…」
大野さんが昨日買っていた綺麗な丸い箱。
それが一番上に乗っていた。
箱からでもふんわりとチョコレートの香りがする。
誰のためなのかと思ったら、俺のためだった…
嬉しい。
すげぇ嬉しいんだけどさ…
箱にはペンで『大野』とだけ書かれていてるんだ。
どうせだったら、直接渡して欲しいだろ。
俺は側に置いてあったペンで、箱にメッセージを書いた。
それを今度は大野さんのバッグに入れた。
気付いてくれよ。
じゃないと、バレンタインが終わっちゃう。
家に帰ってからも気が気じゃなかった。
だって大野さんて、家に帰ってもバッグをその辺に放り投げて、そのままにするタイプだろ?
スマホを見つめながら俺は祈った。
掛かって来い。
鳴ってくれ。
大野さん…
そして30分が経ったころだった。
突然、家のインターホンが鳴り響いた。