Welcome to our party 2 【気象系BL】
第32章 Joyeuse Saint Valentin by うめ
その日の夜、ぐずる智也と和香を寝かしつけた後、智香の部屋を覗く。
智香は丁度布団に入るところだった。
「もう寝れるか智香」
「うん。パパ早くお母さんのとこいって?」
「ん?」
「お母さん待ってるから」
微笑みながら意味深な事を言う。
「何かあるのか?」
「ふふっ、ないしょだよ。ね、はやくいって?」
「わ、分かった。じゃあ…おやすみ」
「おやすみなさい」
よく分からないまま、おいらは部屋を出てリビングへと戻った。
ソファーに座っていたかずが顔を上げる。
「皆寝た?」
「おう」
「じゃあさとしそこ座って」
「ん?」
言われるままに座ると…かずがテーブルの下から大きな箱を取り出した。
「え?」
「ハッピーバレンタインさとし」
「………マジ?」
「マジ。どうぞご自由に召し上がって下さいな。いらないならいいけど」
そんなぶっきらぼうな口調は…照れ隠しだと分かってる。
「いらない訳ないだろ。すっげ嬉しい」
箱を開けてトレーを引くとそこから出てきたのは綺麗なチョコレートケーキだった…。