Welcome to our party 2 【気象系BL】
第32章 Joyeuse Saint Valentin by うめ
「パパ!これバレンタインのチョコだよ!」
「ほえ?」
風呂から上がると智香が小さな箱をおいらに渡した。
「おいらに?」
「うん!」
箱を受け取り蓋を開けると…可愛く飾られた色んな形のチョコレートとクッキー。
小学生の女の子らしいカラフルで愛しくなる様なお菓子が沢山入っていた。
「智香ちゃん昨日頑張って作ったんだよ。凄いでしょ?俺ほとんど手伝ってないんだから」
キッチンからかずが声を掛けてくる。
「うわー…ありがとう智香!」
智香を抱っこすると嬉しそうに微笑んだ。
「後で食べるよ」
智香を下ろしてキッチンに向かう。
後ろに立つとかずが笑顔で振り返る。
「カレーもうすぐだよ」
「うん。なぁかず」
「んー?」
「かずはくれないの?バレンタイン」
「バレンタイン?ああ…あるよ口開けて」
「え?」
口を開けるとかずが口の中に茶色い物体を放り投げる。
すると口に広がる甘い味。
「………何これ」
「何ってチョコレートでしょうが。カレーに入れたの余ったから。ハッピーバレンタイン」
そう言ってまたカレー鍋をぐるぐるかき混ぜ出した。
やっぱり…ないか。
ま、いっか…。
甘い味を噛み締める様にゆっくりと口を動かした。