Welcome to our party 2 【気象系BL】
第28章 疑惑の香り by みきちん
「あっ、待って!」
寝室を開けると、
明かりはついてたけど誰もいなかった。
人は……ね。
ピーッ…
頭の上がら聞こえる声。
「そのまま……ジッとしてて」
小声で呟き寝室に入ると、
床に置いていた籠を取り顔の前に持ってきた。
「ほら、入って」
上にいるヤツに声をかけると、
頭のほんの少しだけあった重みが消えた。
「ホント、助かったよ」
グイッとビールを飲むニノに、
さっきまでの動揺はもうない。
ニノの帰りを毎日急かしていたのは
彼女というより……
オスのセキセイインコだった。
お母さんが長期の旅行中で
仕方なく面倒を見ているらしい。
鳥籠の掃除をしようとしたら逃げ出して、
そのタイミングで俺が来たから
飛び回らないように寝室に閉じ込めたらしい。
「ホント、迷惑」
そんな事言ってるけど、
籠を見つめる目はとても優しくて……
何だかんだで可愛がってるじゃん。
「まだ、飲むでしょ?」
そう言うと、立ち上がり冷蔵庫へ向かった。
面白い番組やってるかな?
何気なしにテレビのスイッチを入れた。