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Welcome to our party 2 【気象系BL】

第28章 疑惑の香り by みきちん


「あっ、ダメっ!」

ニノが慌てて戻って来た。

「えっ?何で?」

「それは……」

ニノがテレビ画面を見て固まった。

テレビから聞こえる声で
俺のCМが流れているのが分かった。


『カッコ…イイ』


ん?


『マー…クン』


ん?ん?


目の前のニノから発せられた声じゃない。



かなりの濁声。



まさか……


『マー…クン……スキ』

声の主はセキセイインコだった。


「こっ、これは……」

顔を真っ赤にして慌てるニノ。

セキセイインコは言葉を覚えることがある。


何回も何回も繰り返して聞くと……



「俺の事……好き?」

目を逸らさせないように
ニノの頬を包んで問いかけた。

「すっ……」

「スキ…」

返事は濁声だった。


そして俺は声の主ではなく、
大好きな人の唇にそれを重ねた。

「まー……くん」

ようやく、聞きたい声が聞こえた。

でも、もっと聞きたい……


甘い甘い……ニノの声。


「いい?」

ゆっくりとニノは頷いた。


そして恋のキューピットは
ジッと俺たちを見ていた。


ここでは……まずいな。
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