Welcome to our party 2 【気象系BL】
第27章 You 're the only one by Namako
特別…園長先生の言った一言が、頭から離れなかった。
俺は自転車を猛スピードで走らせ、急いで家に引き返すと、用意してあったビデオとカメラを手に、また保育園に向かって自転車をこいだ。
途中、家の鍵を掛け忘れたことを思い出したけど、そんなことはもうどうでも良かった。
いや、良くはないけどね?
でも、そんなことよりも、カズの晴れ姿が見れないことの方が、俺にとっては大問題で…
漸く保育園に着いた頃には、キッチリ整えた筈の髪は乱れ、ネクタイは首の後ろに回っていたけど、身なりなんて構ってられるか…
駐輪場に自転車を停め、園舎を全力疾走で遊戯室目指して駆け抜けた。
乱れた息を整え扉を開くと、丁度カズ達の劇の真っ最中だった。
間に合った…
ビデオを構え、カズの姿を収める。
舞台上のカズは、王冠を頭に、背丈程もあるマントを翻していて…
親の贔屓目かもしれないが、とても立派に王子様を演じている。
小さかったカズが…
そう思うと、俺は胸が熱くなるのを感じた。
その時、ビデオ越しにカズと目が合った。
俺に向かって、極上の笑顔を見せるカズ。
頑張れ!
俺は目でカズにエールを送った。