Welcome to our party 2 【気象系BL】
第25章 ハニージンジャー by うめ
「うわぁぁん!俺以外の人とデートなんてしないでよぉ!」
ぷっ…。
駄目だ…。
可愛くて押し倒しそう。
しかしここはアカデミー賞俳優の俺。
あ、第39回ね。
俺の可愛い雅紀をもっと引き出す為に演技を続ける。
「泣くなよ。せっかくの誕生日プレゼントを…」
「ご…ごめんなさい…」
シュンと静まり返るリビング。
背中に雅紀の頭の感触。
くぅ~っ!可愛い♪
「もう言わないからぁ…にの…」
「………」
ゆっくり振り返るとその大型犬がジッと俺を見上げてくる。
「じゃあさ…やる気にさせてよ俺を」
「え?」
「俺の買ってきたオイルでさ…俺をやる気にさせなって」
「そんな…恥ずかしいよぉ」
「なら今日はもう寝よっかー…」
「あ、やだ!やる!頑張るから寝ないで!」
慌てて雅紀がソファーから降り、オイルを持ってラグに座る。
本当に単純で…可愛い。
誰かをこんなに可愛いなんて思えたのは…産まれて初めてかもしれない。
そう思いながら俺は…真っ直ぐに雅紀を見つめた。