第18章 彼の為なら。・:+°家康。・:+°
はぁぁぁぁぁぁっ
クシャクシャと頭を掻きながら政宗はしゃがみ込む。
「家康様は夕霧様に何を言われたのでしょう・・・。夕霧様と喧嘩でもなさったのでしょうか?」
「三成、口を出すのをやめなさい。」
「政宗、家康をあそこまで怒らせるとは・・・一体何を言ったんだ?」
ニヤニヤと面白そうに聞く光秀に政宗は怪訝そうな顔で答える。
「うるせぇ。・・・いや、まさか夕霧が言っちまうとはな。」
「光秀、お前もあの場で聞いてただろ。」
秀吉も光秀を睨みつつ指摘する。
「俺は夕霧が普段家康にされている事を家康にやり返せば、動揺する家康が見れるかと思ったんだが・・・それよりも面白い事になっていたとは・・・」
「相手に返せってそういう事かよ、悪趣味だな。」
光秀がやっぱり素直な訳が無かった。
秀吉は良案だと思い夕霧に勧めた事を後悔しながらため息をついた。
「なぁ。でも・・・あれを言ったって事は家康は絶対悦んだよな。」
「ちょっとは反省しろ政宗。」
ニヤリと笑う政宗に秀吉はぴしゃりと言い放つ。
「わかってる。でも、そういう事だろ。」
「まぁ・・・な。」
「家康は怒ってたが、あんな事惚れた女に言われたら最高だよな。ある意味感謝してほしいくらいだ。」
「確かに・・・。感謝こそされても良いかもしれん。」
「光秀まで何言い出すんだ。」
呆れ顔の秀吉が冷めた目で二人を見つめる。
家康にはああ言われたが後で夕霧をからかいに行くか。
あいつがどんな顔するのか楽しみだ。
政宗はニヤリと笑うと夕霧を探しに踵を返した。
この後政宗に出会った夕霧が慌てて逃げたしたのはまた別のお話・・・
終