第17章 三成の秘密。・:+°三成。・:+°
何だか安心した。
光秀さん、絶対私に意地悪であんな事言ったんだな。
こんなに真っ直ぐで優しい三成くんが光秀さんに似たところがあるなんて・・・ないない。
「三成くん、せっかくお茶に誘ってくれたのにごめんね。ちょっと用事を思い出したから帰るね。」
「そうですか、それは残念です。」
「光秀さんからの荷物お願いします。じゃあ秀吉さんによろしく!」
「承知しました。」
深々と頭を下げる三成くんに手を振り部屋を後にする。
佐助くんに言わなきゃ。きっと真相が分かって喜ぶよね。
来た時の重たい足が嘘のように軽く感じる。
よし!帰って政宗の着物直しちゃお。
足取り軽く城へと戻った。
それを見つめるのは・・・
「なかなか鋭い方だったのですね。夕霧様は。」
怪しい笑みを零す三成の姿。
まさか夕霧様に秀吉様の出会い方を探られるとは思いませんでした。
あの顔はふと湧いた興味とはかけ離れていた。
何か私の事で勘づいた事があったのでしょう。
・・・が。やはり夕霧様でした。私の言った事を素直に信じて、しかも納得して帰って頂けた。
本当に可愛らしい方です。
夕霧様の中の石田三成は、物腰柔らかな少し抜けた私でいて欲しいのです。
貴女には後暗い私は見せたくないので・・・。
え?本当の秀吉様との出会いですか?
ご想像にお任せ致します。
ただ、世の中には知らなくていいことが沢山あると言う事です。
終