第8章 百物語。・:+°織田軍。・:+°
湯浴みから部屋に戻る途中に光秀さんに会った。
光秀
「きちんと髪を乾かさないと風邪を引くだろう。来い、乾かしてやる。」
優しいのか何か裏があるのか・・・そう思いつつも光秀さんの後ろを付いて行く。
ドンッ
部屋に入った途端、壁に押し付けられる。
光秀
「お前には危機感がないな。」
顎を持ち上げられ慌てて顔を背ける。
光秀
「真っ赤だぞ。冗談だ・・・」
ククッと笑いながら肩に手を置き夕霧を座らせる。
夕霧
「本当に・・・冗談が過ぎます・・・」
光秀
「本当にお前はからかい甲斐があるな。」
「夕霧いるか?」
その声と同時に襖が開く。
夕霧
「秀吉さん、政宗さん、家康さん、三成くんまで・・・」
そこには慌てた顔で立つ四人の姿。
秀吉
「光秀、どういう事だ。」
政宗
「俺らが気付かないとでも思ったか?」
家康
「あんたもあんただよ。部屋に平気で光秀さんを招き入れるなんて。」
三成
「これから何かなさるのですか?」
光秀
「そう思うなら静かに見守ってくれれば良かったものを・・・」
秀吉
「冗談が過ぎるだろ。」
光秀
「冗談かどうかは夕霧に聞くといい。」
夕霧
「悪い冗談です!!」
光秀
「そうか。」
政宗
「で、光秀はそんな冗談の為にここに押し入った訳じゃないんだろ。」
光秀
「ああ。実はな・・・」
「怪談!?」
全員の声が揃った。
光秀
「こんな暑い夜は怪談でもして涼むのはどうかと思ってな。」
政宗
「面白そうだな!」
家康
「時間の無駄ですね。」
夕霧
「私は遠慮しときます。」
光秀
「何だ、怖いのか。時を駆け、この時代に戻る程の女だからもう少し張り合いがあると思ったんだがな。」
夕霧
「それとこれとは話が別です!」
秀吉
「光秀に煽られるな。放っておけばいい。」
光秀
「何だ秀吉。お前も怖いのか。」
秀吉
「あ?何だと?」
光秀
「せっかくのお前の包容力が見せかけだとバレてしまうからな。今宵はやめておこう。」