第5章 もしも・・・。・:+°織田軍。・:+°
政宗
「それがめちゃくちゃ可愛くてだな・・・」
何話してるんだろ・・・ま、俺には関係ないけど。
庭先で秀吉と話す政宗はやけに機嫌が良かった。
政宗
「おーい!家康!!」
はぁ、呼ばれちゃったよ。
家康
「何なんですか、政宗さん。俺は用はないんですけど。」
政宗
「まぁそういうなよ。実はな・・・」
嬉しそうに話を始める。
政宗の夢に幼少の可愛い姫が出てきて自分に「父上様」って言ったというのだ。
政宗
「笑顔は似てるし、あいつみたいにコロコロ表情が変わるのが面白くてさ・・・」
秀吉・家康
「・・・は?」
秀吉
「誰がお前に夕霧をやると言ったんだ?」
家康
「有り得ない夢は見ない方がいいよ・・・政宗さん。」
政宗
「何言ってんだよ。夕霧は俺の子を産むんだよ。」
秀吉
「お前、話が飛躍しすぎだぞ。」
家康
「まぁ、百歩も千歩も譲って子が出来たとしても、政宗さんソックリになると思うけど・・・。ちなみに夕霧が相手ってのは有り得ません。」
政宗
「お前なかなか言うな・・・」
秀吉
「お前に似た子なら家臣や女中を振り回すだろうな。」
家康
「馬に跨って戦にでも繰り出すんじゃないですか?」
クスクス二人は笑う。
秀吉
「俺の子ならどっちに似ても優しい子に育つ。」
人には散々言っといて自分だって夕霧と自分の子が出来たらって勝手に想像してんじゃねーか。
政宗は一瞬秀吉に子がいたらと想像した・・・
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秀吉
「夕霧転ぶぞ。あまり走るなよ」
「母様・・・気をつけてくださいね。」
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あ・・・つい夕霧で想像しちまった。夕霧は俺のだ。
政宗
「いやいや、お前に似たら誰が母親か分からなくなるだろ。」
家康
「馬鹿馬鹿しい。こんな話に俺を巻き込まないでください。」
政宗
「お前の子どもは俺の子と違ってひねくれ者になっちまうもんな。」
家康
「な・・・っ!」
家康の表情が変わる。
家康
「大丈夫です。顔も性格も夕霧みたいになりますから。秀吉さんや政宗さんとは日頃の行いが違います。」